編集委員 本日は、お忙しい中「さきもり」の取材にお時間を頂きありがとうございます。
 さっそくですが、昨年の東日本大震災から一年を経過しましたが、今思うところを、お聞かせ下さい。

 「震災後の消防団について」
角田署長 深川消防団長就任おめでとうございます。
 今、消防団員や住民は、震災や各種災害に対しての防災意識が高まっています。消防団に対する期待もこれまで以上に高まっております。団長としては、何を優先に取り組んでいかれますか。
 消防団に、何か求められている事と思いますか。

形屋団長 当時。わたくしはまだ副団長でしたが、震度5強の発生で団本部員は団本部に参集し、また、各分団員は分団本部に参集しました。
 その後、それぞれの消防団員が、被害状況を見て廻りました。家屋の倒壊・街路樹や庭先の鉢植えの倒れ・帰宅住民・さまざまな危険物の処理・等に、各分団が本部の指示が無くても迅速に処理活動をしてくれました。
 今後も災害時においては、まずは自らの安全を催促した上で自主的に活勤してください。

「消防団の地域に対しての役割や係わり」について
形屋団長 各分団の町会・自治会等と連絡会を多く取り、総合防災訓練等で培われた防災復旧をお互いの立場で役割を分ける様な打ち合わせが必要です。

角田署長 地震発生後、消防団分団本部に集合し、分団長は団員の確認、団施設、資器材の状況把捉を行うこと、次に、管轄地域の状況確認、情報収集、消防団本部への報告を行います。
 また、災害発生時は、町会・自治会長等、災害協力隊と連携し消火、救助にあたります。

「震災後と前とでは何か変わるかまた、変わったと思う点」について
形屋団長 角田署長初め、署員の皆様のご指導で、出火出動の時は、必要に応じて可搬ポンプ出動の参集を多くし消火活動に応じたい。
 消防団としては、分団の意識で自主的、且つ適切な行動を行う。このような事を、今後多くしていきたい。
 また、変わった点は、消防団や住民等も、近い将来大地震は起きると確信していると思います。そのためか、最近は防災訓練に参加する住民が多くなりました。

角田署長 基本的には変わらないが、消防団員の殉職が多かったことから、活動時の安全確保が重要です。
 自分白身が無事であることが必要であり、安全を確保したうえで活動すること、危険を察知したなら安全な場所へ退避することです。
 変わったと思う点は、区民の地震に対する意識です。東日本大震災を受けて、複合災害の恐ろしさを知ったところであり、地震、津波、液状化、生活インフラが破壊された時の不安は増大しています。地元町会、自治会と一体となった活動、いわゆる地域の防災リーダーとしての役割を担う。
 地元の危険実態を提えて、一緒に考える。
 事前対策、応急対策、避難所開設等、様々な実態があると思う。

「震災後消防団として、新たに訓練等で、学んで行かなくてはならない点」について
形屋団長 まずは、消防団と消防署の連携、そして、行政の手が回らないことが想定される為、被害を最小限に抑える初期消火訓練を、消防団が防災リーダーとなり、町会・自治会・災害協力隊との連携訓練を繰り返し行う事が非常に大事です。

角田署長 震災時は火災優先となり消火活動に従事するが、小規模で町会・自治会、災害協力隊が対応できるときは任せる。救助救急救護対応は現揚トリアージ(重症度と緊急性によって治療の優先度を決める事)ということが求められる。傷病の程度を判別し優先度を判断し対応する。
 また、消防団と消防署は組織的な活動が求められます。具体的には、分団長は分団員の活動状況、情報収集内容、管轄被災状況について団本部と連絡を密にすることです。
 今回、高性能のMCA無線機が配備されるので効果的な活動ができるよう訓練してほしい。

 「分団本部建物」について
形屋団長 深川消防団は、十個の分団がありますが分団本部建物があるのは四個の分団です。早くご支給して頂きたいです、装備されているプレハブ格納庫だけでは、支給されている資機材が収納しきれません、宜しくお願いします。

角田署長 各分団の活動拠点を未整備のそれぞれの地区で確保し効果的な活動ができるようにしていくことも必要である。(分団本部の整備)

編集委員 本日は、お忙しい中「さきもり」への取材協力ありがとうございました。

※編集員として、角田消防署長、形屋団長のお話の中で「活動時の安全確保、消防団員として活動中危険を察知したら安全な場所へ避難する」こと、大勢の消防団員・消防署員が犠牲となった東日本犬震災、改めて思う・・・。
お話を聞けた気がします。
         (第十分団 棚山編集員)